『Nice』に向けて作っている曲に関しては「どこかで似たような曲を聴いた事があるような」という思いが脳裏に過ぎっても、そのまま思い付いたままに作った。
尊敬している音楽家が少し前に「誰かと似た曲を作っているかも、と思っても気にしないでどんどん作った方がいい」と発言していたので、それに従った。
「side project」
現在制作中の曲の中でも一番最初に取り掛かった、つまり「歌モノを作ろうと思って作った」正真正銘一番最初の曲。
・歌詞について
作詞は夏頃に着手。実は最初はかなり所帯じみた、もっと親近感を抱かれるような日常的なフレーズが並ぶ歌詞だった。でもまず「サビの歌を全面的に変えたいな…」となりサビの歌詞が抽象的な内容になり、そのまま行こうと思っていたが歌入れまでの数か月の間に思想が変わって、今月に入ってから歌入れをする直前に「この詞じゃねえよなあ…」となり、30分程度で一部のフレーズ以外の全てを書き換えた。書き換えた最終稿の歌詞に関しては、最近直面した様々な出来事を反映した内容になっているけれど、それがどういうものなのかは恐らく全く伝わらない内容になっている。私は詩/詞というものを「人に伝えたくないことを大声で言える表現手法」だと思っている節がある。
そんなわけで、歌詞に関しては一番最初のバージョンと比べると殆ど原形を留めていない(上書き保存したのでこの一番最初の歌詞は残っていない)。特にメロ部分は完全に別物。
一部の語句や意味合い自体は残ったフレーズも幾つかあるけど、完全に初稿と同じ形で残っているフレーズは「歌詞だけいい顔してもしょうがない」「エコバッグを忘れないで」「アバターなんて作らないで」の三つしかない。
「ゴミ袋を買わないで」「エコバッグを忘れないで」は日常生活とこの歌詞の接点を残すためにあえて手を付けなかった…はずなんだけど、実は歌詞には「レジ袋を買わないで」と書いてあった。
しかし完成した音源を聞いたら、加工のせいで自分の歌なのに何度聴いても「ゴミ袋」と歌っているように聞こえてしまい(よく聴くと「レジ袋」にも聞こえる)、「”ゴミ袋は買わないで”の方が退廃感が出ていていいな!」と思ったので結局歌詞の方を書き換えてしまった。なので「エコバッグを忘れないで」の方しか残らなかったという。
「アバターなんて作らないで」に関してはあまりフォロワーなどにいい顔されないフレーズだろうなと思ったけど、絶対に最後まで残そうと思った。この一言を言うために作った歌詞なので、これを発表してリムーブされようがブロ解されようがこれを変えるわけにはいかない。
当然自分がアバターを作って活動している立場であることの矛盾を最初から織り込み済みで書いている。というか、逆に言うとそうじゃなかったらこのフレーズは出てこなかったです。いままでその形式で活動してきて良いことも悪いこともあった、というよりは「良いことばかりじゃなかった」んで。
「歌詞だけいい顔してもしょうがない」は初期の所帯じみた歌詞の名残。
小恥ずかしい気もしたけど、これも「アバターなんて作らないで」と同じぐらい重要だと判断して残した。高橋知秋の卑屈さの象徴みたいなフレーズだよな~、と自分でも思う。
・トラックについて
イントロなどではいかにもシューゲイザーな「安いシンセストリングス」が鳴っているけれども、実は制作の初期段階ではもうちょっとJ-POPっぽい別のシンセが乗っていた。しかしさすがに「何かっぽい」感じがありすぎたため完成版ではこの形に。アウトロの同じ音階を鳴らすドローンっぽいシンセとギター(ギターの方はちょっと聞こえ辛い?)は制作の最終段階で付け加えたもの。
子供の頃スキー場に行ったときに、ゲレンデに向けてのアナウンスが丁度山とぶつかって嘘みたいにきれいなこだまになっていたのを聞いたことがあり、ボーカルにエコーをかけた仮ミックスを聞いたときにその時の記憶を思い出した。
そのため完成音源ではエコーをさらに強調して記憶の中の音像を再現している。あといま住んでいる街でたまに鳴る防災訓練放送のイメージも混ざってるかも。
当初はサビ辺りでボーカルに強めのディレイがかかってコーラスのようになるという構想があったのだけれども、実際にボーカルをトラックに乗せて聴いてみた際にその必要はないと判断し却下。
それにしてもこの曲、ベースラインもコード進行もただ同じフレーズを反復しているだけなのだけれども、それでも変化が付いているように聴けるのは歌モノの特権だよなと思う。
・タイトルについて
これについては直感的に降ってきた言葉だけれども、裏には高橋知秋という活動自体が様々な状況に対するオルタナティブである、という意味合いも一応ある。まあここら辺に関しては説明は無粋ということで。
「Shota Nakamura [single mix]」
アルバム版はかなり音像変わると思うんで、先行シングルとしてDLも用意しました。良ければどうぞ。
・まず、誰?
ネタを明かせば、これはとあるdiscordサーバーでニックネームとして名乗っている偽名であり、別に本名とかではない(当たり前だろ)。そんな言葉をタイトルにしているので最初はもっと軽いインタルード的な曲にしようとしていたのだけれど、いつの間にかそうではなくなった。・歌詞について
英詞にすることは割と最初から決まっていた記憶がある。仮のトラックが出来た時点で鼻歌のように音感を気にしつつ組み立てた。内容に関してはフレーズごとに思い付いた出来事や思想をさらに複雑にエンコードして断片的に綴っていった散文的なものなので、何か一つの大きな意味合いで説明できるようなものではないように思う。まあ明るい内容ではないということは確実に言える。
日本語にすると「拷問のカーテン」とか「水の正義」という意味になる割と物騒な言葉が出て来るけど、ここら辺の比喩に関しては本当に自分の中の感情や日常の中で直面した出来事を抽象的に表現するとこうなるというだけの思い付きであり、別段何か大きな意味合いを持っているわけではない。
あと「a cut off pieces」って「a」の後に複数形付けちゃってるんで、たぶん文法的に間違ってますね。
・トラックについて
記事の冒頭で”「どこかで似たような曲を聴いた事があるような」という思いが脳裏に過ぎっても、そのまま思い付いたままに作った”と書いたけど、この曲に関しては幾つかの曲の要素を意図的に引用して作っていった。それらの元ネタを明かすことはしないが…(一つだけ言うと、やかましいパートはモロにmy bloody valentine「You Made Me Realise」ですね。もっと直接的に似た曲があった気もするけど)。
製作当初に「このまま構想を形にするとこの曲にめっちゃ似てしまうのでは」と思っていた曲があって、だったら最初から似せて作ってしまおうと一種の開き直りを持って作ったのだけれど、結果的にいろんな曲のイメージを脳内で合成して作る形になっていったため、その曲とは一部の要素が似てるっちゃあ似てる…かな…ぐらいにまで後退。良いのか悪いのかよくわからん。
というより、出来上がった曲を実際に聴いてみると、特定の曲を引用してどうこう、というより全体的に「オルタナティブロックあるあるネタ」みたいになったなと思う。
そうなった原因の大部分として推測できるのが、この曲の心臓部である歌の入るパートに関しては「こういう曲があったよな…」ということを頭の中で考えながら作った曲があったのだけれど、その曲が明確にどの曲なのか分からないまま完成まで行ってしまったところ。
それに限らず、この曲は実際のところ明確な引用というよりは「確かこんな曲あったよな…」と思いながら作っていったという方が正しかったりするので、自分でも気づかないうちに様々な形の「オルタナティブロックとそのサブジャンルの幻影」を組み立てることに終始していたのかもしれない。
そもそも当初は「イントロでめちゃくちゃ盛り上がるのに歌に入るとスカスカになる」という構造から着想していったので、最初は特定の曲を引用してどうこうというわけでもなかったということも、この結果に繋がっているのかも。
というわけでこの曲は「オルタナティブロックあるあるネタ」です。オルタナのあるある早く言いたい。
サビのハモりに関してはこのアレンジはサビにはどうしてもハモりが必要だという判断があり、一応事前に音階を確認して重ね録りした。でも楽譜が読めないというか理解が出来ない、コードも殆ど名前が分からない、という状態なので結構探り探りだった。