2015年にVULTUREというwebメディアに掲載された、スコット・カンバーグへのインタビュー記事「Pavementのギタリスト、スコット・カンバーグによるお気に入りのPavementの曲10選」をdeepl翻訳などを駆使して自分なりに和訳した記事です。技術の進歩に乾杯。
※プロでも何でもないし、もともと自分用に訳したものなので、一応deepl翻訳の癖をちゃんと頭に入れて作業したので出来るだけミスは省きましたが、意訳で乗り切ったところもあるので誤訳があるかもしれません。許してくれ。
※序文の翻訳は省略しています。一応訳したのですが、何せ7年前のリリース情報と記事の説明が洒落た言い回しで書いてあるだけなので…。
※改行は訳者によるものです。
元記事URL:https://www.vulture.com/2015/08/kannberg-favorite-pavement-songs.html
--------------------以下訳文--------------------
"Box Elder" ["Westing (By Musket and Sextant)" (1989–1993)]
これは僕がスティーヴンと一緒に演奏するようになった、一番最初の曲。
僕らはPavementの前に、大学の同級生と一緒にちょっとした、変なインストバンドをやっていたんだ。みんなで集まってセッションをするような感じで、ライブも何回かやった。でもそんなに良いバンドではなかったな。夏休みのある日、みんなで集まってこの曲を演奏していたら―この「Box Elder」はずっと僕の頭の中にあった曲だったんだけど―スティーヴンがこの曲に歌メロと歌詞を付け始めたんだ。
この頃スティーヴンは大学内のカレッジ・ラジオ局にいて、僕は地元のレコード店で働いていた。だから僕らは当時のインディーズのシーンについて知っていたんだ。K Recordsみたいな、クールな7インチを出すようなレーベルがあるシーンをね。だから僕らも、「自分の作品を出してみようぜ」ってことになった。
後にPavementの最初のドラマーになるゲイリーがやっていたスタジオに入って、その日の一週間ぐらい前に作った5、6曲と一緒にこの曲をシングルにしたんだ。このたった一枚のシングルこそが当時のPavementが目標にしていたもので、僕らの活動はこれで終わるものだと思っていた。他のことをやる気なんて全然なかったんだ。そのあとスティーヴンはヨーロッパかどこかにバカンスに行っちゃったから、このシングルのリリースに関する作業は僕がやることになった。
そのささやかなシングルの中で、この曲が一番人気になった。
この曲はジョン・ピールの耳に届いて、更にはWedding Presentにまでカバーされた。みんなこの曲に興奮していたし、ファンジンもこぞってこの曲についての記事を書いた。この曲が僕らをブレイクさせてくれたんだ。Pavementの活動の土台になった曲だね。
"Forklift" ["Westing (By Musket and Sextant)" (1989–1993)]
僕の中で、Pavementは三つの時期に分けられる。最初の時期は、僕とスティーヴンがドラムを含めた全てを演奏してシングルを作っていた時期。その次が、ゲイリーと一緒に『Slanted & Enchanted』を作って、ツアーをやった時期。その後のスティーヴ・ウェストが参加してからがその次の時期、って感じかな。それぞれの時期に好きな曲があるよ。
この頃はスティーヴンがPavementから脱退していて殆どバンドの体を成していなかったから、他のメンバーで曲をレコーディングしていた。この「Forklift」も、その時作った曲の中の一曲。
ある日突然スティーヴンがバンドに戻ってきたから、この曲を弾いて聴かせてみたら、彼は「よし、この曲をPavementで作り直してそれでもう一枚7インチシングルを作ろう」というようなことを言い出した。この「Forklift」は大学でルームメイトだった別のドラマーと作った曲だったんだ。
僕らがライブ活動を始めた最初の頃に、とても人気のあった曲。
なんか本当にThe Fallみたいな曲だね。スティーヴンが取り留めのない、それでいて素晴らしい歌詞を書いてくれたんだけど、この詞を歌うのはかなり難しかったと思う。この歌詞を書いたころ、スティーヴンはジェイムズ・ジョイスの本をたくさん読んでたんじゃないかな。
"Two States" ["Slanted and Enchanted" (1993)]
僕は元々、地理とか都市計画に興味があって、この「Two States」のアイデアもそこから生まれたもの。
カリフォルニア州が二つに分かれていることは常に問題を孕んでいる。何故かというと、北カリフォルニアは南カリフォルニアに水を取られてしまうからだ。もし君が北部で育ったら、南部のことが本当に嫌になっているよ。笑えることに僕はいま南部に住んでいるんだけど、「僕はこんなところで何をやってるんだ?」って思うもんな。南部は全然干ばつに対応してないんだ。まだ水が安いからね。でもそのうち水の値段がもっと上がって、皆どうにもならなくなるだろうな。
この「Two States」にもThe Fallの要素がある。…今まで沢山のバンドがいたけど、僕らのようにThe Fallをコピーしようとしていたバンドはいなかった。そういえば、マーク・E・スミスがグラストンベリーで演奏しているときに、小便を漏らしたことがあるって話を読んだところだよ。彼がただ突っ立ってるだけのひっどい映像が残ってるんだ。
"Summer Babe" ["Slanted and Enchanted" (1993)]
初期の曲からもう一つ、様々な意味合いを持っている曲を。歌詞が鮮明で、シンプルなところが多くの人々を惹き付けたんだろうな、と思う。
実はこれは『Crooked Rain, Crooked Rain』以前に作った曲の中で、録音にベースを使用した唯一の曲なんだ。他の曲は全部ギターだけで録音している。
"Newark Wilder" ["Crooked Rain, Crooked Rain" (1994)]
Pavementの曲の中でも最も奇妙な存在だろう。本当に不思議な曲だ。僕にとっては、この曲こそが、Pavementが別の方向性へと向かい始めた瞬間のように思える。どう説明したらいいか分からないんだけど、でもこの曲は他のPavementの曲と比べるとプロダクションがものすごくクールだし、歌詞もすごい不思議で、まるでR.E.Mの『Murmur』に入っている曲みたいなんだ。
今でもこの曲を聴くと、Pavementの中でもすごい変な曲だよなあって思う。『Crooked Rain, Crooked Rain』の他の曲はどれも直接的で即効性があるんだけど、この曲は繊細で暗いよね。
演奏するのも難しい曲だから、ライブ音源がないか探してみたんだ。ライブではあまり演らなかっただろうね、この曲は。
スティーヴンのチューニングは本当に不思議でね。どういう風になっているのかは僕はあまり分からないんだけど、彼は本当に…僕が理解できないような不思議なチューニングの仕方を幾つも習得している。そのチューニングがこの曲をより奇妙なものにしていると思う。
[訳注:やたらと意味合いが重複する文章が多いですが、ほぼそのまま訳してます。スコットはこの曲の存在をどんだけ不思議に思っているんだ…]
"Kennel District" ["Wowee Zowee" (1995)]
僕が歌っている曲の中で一番人気があるのはこれだろうね。
実は『Crooked Rain, Crooked Rain』の頃に一回レコーディングしているんだけど全然完成しなくて、結局『Wowee Zowee』のために作り直したんだ。メロ→サビ→メロの繰り返しがかなり多い曲。
最後のアルバム以外では、必ず僕が数曲ほどメインで歌っているんだ。この曲でスティーヴンはギターを担当して素晴らしいプレイを見せている。
Pavementの曲の中でも特に人気がある曲であることは間違いないね。だからライブでは必ずと言って良いほど演奏することになるんだけど、別に良いよ。全然気にしてない。
"Give it a Day" ["Pacific Trim" (1996)]
[訳注:『Wowee Zowee』のSordid Sentinels Editionに収録されているためか記事内では『Wowee Zowee』の楽曲と紹介されているが、これは誤りで『Wowee Zowee』のオリジナル盤には未収録、1996年にリリースされたEP『Pacific Trim』及び同タイトルのEPが初出。ところでこのEP、discogsには1995年にリリースされているとあるけど他の資料にはだいたい1996年リリースとあって、正確にはどっちなの?]
スティーヴンが作って、スティーヴ・ウェストとレコーディングした曲だ。僕はこの曲では何もしていない。
確かSilver Jewsのレコーディングをするはずの日に、デイビットが不安になってスタジオに来れなくなっちゃったんだと思う。だからその時間を使って、3、4曲ぐらい録音したらしいんだけど、その中の一曲だね。
スティーヴンが書いた曲の中で最も好きなもののひとつ。彼はその気になればポップなキラーチューンが書けるんだけど―この曲は、僕にとって完璧なポップミュージックと言えるような存在なんだ。僕はこの曲を聴く度に、演奏に参加できた人々に対してずーっと嫉妬していたんだけど、それでもこの曲をPavementの曲として世に出すことができて良かったと思うよ。どれだけ時間が経とうが古びない。歌詞もとても素晴らしい。本当にヤバいメロディだし、スティーブンの歌い方も美しいよね。今でも、彼が書いた曲の中で一番好きな曲。
あとは「Major Leagues」も本当に好きな曲なんだけど、あれももっと偉大な存在になってもおかしくないキラーチューンだったと思うんだよな。
"Type Slowly" ["Brighten the Corners" (1997)]
とても面白い、言葉数の多い曲。
僕らのライブでは「Fight This Generation」と並んで伝説的な曲。ライブではセッションパートを挟むんだけど、そこにものすごく感動的な流れがある。そのライブバージョンはチベタン・フリーダム・コンサートのために作ったんだ。
ライブで演奏するときに一番楽しい曲。クラシックなロックのPavement版みたいな曲だね。例えば、ニール・ヤングみたいな。
"Major Leagues" ["Terror Twilight" (1999)]
マルクマスが書いた曲の中で最も好きなものの一つ。
これと「Carrot Rope」はマルクマスが作った古典的なポップソングで、どちらも彼が嫌っている曲。彼は素晴らしいポップソングを演奏することに対して、何かと抵抗があったらしい。だから僕は彼にそれをやらせるんだ。いつも言うんだよ、「これはアルバムに入れようよ!すごい良い曲だよ」って。僕がそう言うと、彼は最終的には降参してアルバムに曲を入れてくれるから。僕にとって、これは本当にシンプルに美しい曲だ。『Terror Twilight』はナイジェル・ゴドリッチと一緒に作ったアルバム。このアルバムは本当に素晴らしくて、ちょっと倦怠感がある感じがとても良い。Echo and Bunnymenの『Ocean Rain』を思い出すような。
…わかんないんだけどさ、この曲が3~4年早く出てたら、僕らはWeezerやSmashing Punpkinsみたいに有名な存在になっていたかもしれないね。でも、僕らにはマネージメントの概念が無かったんだ。ただ集まって、セッションして、アルバムを作って、ツアーに出て、そして元の日常に帰る。僕らはそれぞれ別の土地に住んでいたし、それに全員が自分たちのやっていることに満足していて、幸せだったから。
あの頃、他のバンドにはマネージメント役が付いていて、みんなロックスターになりたがっていた。そんなバンド達がどこからともなく現れた。そして誰かが彼らにこう吹き込むんだ…「君たちはNirvanaみたいな音楽をやっているから、ロックスターになれるよ!」って。いや、彼らが良い音楽を作っていなかった、とは言わないよ。みんなちゃんと良い曲は作っていたはず。
"The Hexx" ["Terror Twilight" (1999)]
この曲は『Brighten the Corners』で「And Then」ってバージョンを作った。[訳注:「And Then (The Hexx)」。7インチシングル「Spit On a Stranger」のB面に編集版が収録され、後に『Brighten the Corners: Nicene Creedence ed.』に長らく未発表だったフルバージョンが収録された]本当に何回も演奏した曲だし、その結果として全く別物の、猛獣みたいな存在になった。
当時、Pavementのライブに何度も来てくれるようなファンが集まり始めていたし、あとPhishのファンも来てくれるようになったんだ。彼らにとってこの曲は本当に魅力的だったんだろうな。
この曲の歌詞に、大好きな一節があってね―「駐車場に集合する」。これはアメリカのありとあらゆる場所が駐車場になってしまうことを表現した言葉。このフレーズがずっと好きだった。